防災4.0
“自分ごと”から始める、新しい社会のカタチ。

ちさまる: ねぇ、コレクトちゃん。「防災4.0」って、なんだかむずかしい言葉だね…。今までの防災と、何が違うの? 4.0ってことは、1.0とかもあったのかな?

コレクト: 良い質問です、ちさまる。その通り。それを理解するにはまず、我が国の防災の“歴史”から、学ぶ必要があります。データを開示します。
戦後日本・防災政策の歩み
防災1.0:災害対策基本法の制定
伊勢湾台風(1959年)の教訓
大規模災害への政府の体制が未整備であった反省から、国や地方公共団体の統一的な防災体制の基礎となる、「災害対策基本法」が制定されました。全ての始まりです。
防災2.0:政府初動体制の整備
阪神・淡路大震災(1995年)の教訓
都市型災害への対応や、政府の初動体制の不全が指摘され、官邸における緊急参集チームの設置など、危機管理体制が強化されました。より迅速な対応への進化です。
防災3.0:「減災」の理念
東日本大震災(2011年)の教訓
最大クラスの災害への備えが不十分であったことから、被害を完全に防ぐのではなく、最小限に抑える「減災」の考え方が、防災の基本理念として初めて位置づけられました。発想の転換です。

コレクト: そして現在。気候変動がもたらす災害の激甚化に備えるため、「防災4.0」が提唱されました。これは、住民、地域、企業といった、社会の“あらゆるプレイヤー”が「自分ごと」として防災を捉え、互いに連携することで社会全体の“災害への強さ(レジリエンス)”を高めていく、という考え方です。

ちさまる: そっか! “誰か”に任せるんじゃなくて、“みんな”で助け合う社会を作るってことなんだね!

コレクト: その通り。防災4.0は「地域、経済界、住民、企業等の多様な主体のそれぞれが、防災を「自分ごと」として捉え、相互の繋がりやネットワークを再構築することで、社会全体のレジリエンスを高め、自律的に災害に備える社会」という定義ですが、言い換えると「国民一人ひとりが自律的・主体的に防災に参加する社会」とも言えます。
「防災4.0」の、その先へ…! テクノロジーと、自然と、人間が、完全に、“繋がった”、僕たちの、創る、理想の、未来! それが、「防災5.0」なんだ!
BEYOND 4.0 : 防災5.0防災2040 — 8つの未来ビジョン構想
超・予測
AIによる災害リスクの完全個別化。「あなたの通勤経路は3時間後に冠水確率95%」といった、パーソナライズされたリスク評価が可能に。
超・初動
ドローンとAIによる“神の視点”の危機管理。「〇〇地区、要救助者3名。座標送信」といった、空白のない救助体制が実現。
超・連携
国境を越える地球規模の支援体制。日本の震災にトルコのノウハウが活用されるなど、国際支援が“システム”として確立。
超・兵站
海・陸・空からの“途切れない”支援。AIが最適な輸送ルートを自動計算し、支援の途絶を防ぐロジスティクスが構築される。
超・避難
“事前避難”の完全な社会実装。「ホテル避難+リモートワーク」が当たり前になり、“逃げる”が“賢い選択”という価値観が定着。
超・共存
災害を“資源”として受け入れる。洪水前提の高床都市設計など、自然の力を受け入れ、しなやかに生きる技術と哲学。
超・主体
“モノ”が自ら判断し備える社会。家が家具を自動固定し、車が安全な場所へ自動移動する、“備える街”が誕生。
超・未知
あらゆる“X”に備える社会システム。巨大隕石、未知のウイルスなど、“想定外”に備える、崩壊しない社会を構築。